ネイティブアメリカンの子育て
相変わらず寒い日々です。毎日氷点下なので雪も溶けず、スケートリンクのような道路….。また今週、小学校等はこの天候のため休講になったそうです。
私がこちらに住むようになり最も寒く雪の多い今年の冬ですが、ネイティブアメリカンの人々の間ではこの「雪」を「もうすぐGrandpaがやってくるよ」と子供達に言っているそうです。
久しぶりに会うGrandpa、「Grandpaがやってくる前に支度をしよう」ということで冬支度が始まるそうです。ですから雪に対してネガティブなことは感じません。「何をして遊ぼう」「どんな風に過ごそう」「Grandpaが暖かく過ごせるように工夫しよう」ということで準備が始まるそうです。
寒い…早く暖かくなって…早起きしないと…仕事に間に合わない…とついつい感じてしまいそうなネガティブな思いは彼らにはありません。
また、ネイティブアメリカンの人々の子育ては「ネガティブなことを言わない」という特徴があります。「ダメ」「してはいけない」という教えではありません。
例えば昨年、大学のクラス中にインストラクターのお孫さんがクラスも間も無く終了する頃にお迎えにやって来ました。3歳の女の子です。彼女にとっては大学の広いクラスが珍しくクラスの中を走り始めました。
おばあちゃんにあたるインストラクターは注意することなく微笑ましく眺めながら授業を進めています。
女の子は私の方にやって来て嬉しそうに彼女が履いているブーツを見せてくれました。どうやら買ってもらったばかりのウエスタンブーツのようです。
ウエスタンブーツで少し走りづらそうですが彼女は嬉しそうに走り続けます。
そして突然、見事に頭から滑り込むように転んでしまいました。
インストラクターは女の子に
『口で何かいいものを拾ったの?』と。
その女の子は泣くこともなくすぐに起き上がり
「何もないよー」笑いながら答えました。
この会話を聞きながら、クラスの中はとても微笑ましい雰囲気に包まれました。これがネイティブアメリカンの子育てです。
ちなみに教育は普通その子の「親」が担当すると思いますが、ネイティブアメリカンの人々は「祖父母」が主に中心となって担当します。両親は仕事で忙しい時間を過ごしているため、皆が協力をするのです。ですから大人数で一緒に暮らすのが一般的です。ちなみに「お叱り役」はおじさんのお役目になるそうです。
子育て期間Grandpa & Grandmaは特に年上の方(お年寄りの方、ご先祖様)に対する尊敬の心を子供の頃にしっかりと教えるそうです。他人を尊敬する心(尊重する心)は子供の頃に養わなければ大人になってからはなかなか身に付きづらいものだそうです。
今年の冬はgrandpaの滞在がいつもの年よりもどうやら長そうです。春になるとまたgrandpaにはしばらく会えません。沢山写真を撮っておこうと思います。
NIBIWABO
YUKO