誇り

夏休みに入りました。この期間、ブログの更新を定期的に行いたいと思います。

さて、海外に住むと個人としてではなく、日本人の代表として見られることが多くなります。私の意見、行動等があなた個人のものというよりも、日本人の一般的な意見と捉えられることが多々あります。日本人とは?日本の文化、考え方、精神性を学ぶ為に今更ながら沢山の書籍を読み、そして様々な情報に出会うことが出来ました。

海外に住んで、日本に住んでいる頃には出来なかった経験を沢山しました。アメリカでは人種差別はまだまだ根強く残っています。「肌の色が違う」、「英語を母国語としない」、「キリスト教を信じない」、ということで受けた様々な不当な扱いがありました。しかし、その扱いに対して私は今まで「自分自身の感じ方捉え方が原因なのだ」と自分に思い込ませてきたように思います。

何故、このような事に気がつくことが出来たのか?それは「真実」を知ることがきっかけとなりました。もう沢山の日本人が既に知っていることだと思いますが、その内の1つをあげるならばいわゆる「南京大虐殺」に関する真実です。(まだご存知でない方は様々な書籍がたくさん出版されていますし、インターネットからも情報を容易に得ることが出来ます)

確認のため、カルフォルニア州準拠の中学の歴史教科書を購入し、 米国の子供達がどのように教えられているのかを読み、合わせて確認をしてみました。それによると南京大虐殺での日本人の残酷さがやはり事実のように記されています。現地の私の友人の子供達は高校でこのセクションを学んだ後、しばらくは「ジャップ、ジャップ」と呼ばれ大変惨めな思いをしたそうです。(高校の先生はなぜ注意をしないのでしょう?)日本の教育現場も同じです。学校で教わることは真実ではありません。みんな学校が教えてくれることは真実に決まっていると思い込んでいるだけなのです。

その後、父にスカイプで南京大虐殺の真実について話をしてみました。しかし予想通り、容易に受け入れることはありません。父は、「日本人は本当に悪いことをしたのだ」と言い続け、私の考えを正そうとさえしました。父や母をはじめとし戦死した祖父、女手一つで苦労しながら父を育てた上げた私の大好きな祖母。皆、このような思いで亡くなっていったのだと思うとしばらく怒りがこみ上げて抑え込むことが出来ませんでした。

日頃口癖のように様々なことに対して「真実を知りたい」と思い生きてきましたが、真実を知るということは予想以上に勇気がいることなのだと思い知りました。そして実のところ大半の人間は「真実を知ること」を望んではいないのではないかとさえ感じています。

日本人の精神性を見事にわかりやすくまとめた書籍があります。新渡戸稲造の『武士道』が更に今までのモヤモヤを払拭させてくれる助けとなりました。そこに書かれているのは我々日本人の7つの徳(精神性)、義(正しさ)、勇(勇敢さ)、仁(情け)、礼(敬意)、誠(誠実さ)、名誉(誇り)、忠義(忠誠)。

中にはおかしな兵隊さんも一人二人いたかもしれませんが、長きに渡る伝統の結果としてこれらの徳によって日々訓練された大日本帝国軍人が、集団として20〜30万人に対して南京で残虐行動を起こせるはずなどないのです。何故今までそのことに気がつかなかったのでしょう。完全に集団意識からくる思い込みの罠にはまっていました。恐ろしいことです。

先日ネイティブアメリカンの教授が言いました。「日本人に伝えて。我々(ネイティブアメリカン)は『誇り』を持ち続けて白人たちに立ち向かっているからと」。最初の頃は突然何を言うのだろう?と思っていましたが、我々日本人に対して「その素晴らしい精神性を思い出すべきだ」と言うことを彼女は伝えたかったのではないかと思います。

更に彼女はもう1つ言いました。「私たちも日本人も既に答え(真実、知恵)を持って生まれてきている。学ぶ(外から得る)のではなく思い出し信じること。」と。

私のサイトのタイトル「自分自身へ還る旅」、すなわち思い出す旅。‘WORRIORS OF THE RAINBOW’ のWORRIORは戦いを意味するものではありません。自分自身の持つ精神性を学ぶことでもなく、思い出すことが目的です。

日本人で本当に良かった。その誇りを米国で過ごす間表現し続けていこうと思っています。「誇り」を取り戻すこと、それは「真実」を知り、自分自身の「信じる心」を信頼することです。

 

NIBIWABO

YUKO